メインコンテンツへスキップ
まずは相談する
ブログ一覧に戻る
技術

中小企業がChatGPTを業務で使うなら、まずここから——地味だけど確実に効く5つの使い方

「ChatGPTがすごいらしい」という話は、もう何度も耳にしていると思います。でも、実際に自社の業務にどう使えばいいのか、ピンときていない経営者の方も多いのではないでしょうか。

正直に言うと、僕自身も最初は半信半疑でした。「チャットで質問したら答えが返ってくるだけでしょ?」くらいの認識で、業務が変わるとは思っていなかった。

ところが実際に使い込んでみると、変わったのは業務そのものというより「面倒くさい作業にかかる時間」でした。派手な変革じゃない。でも、毎日30分の時短が積み重なると、月に10時間以上になる。その10時間を、本来やるべき仕事に使えるようになった。

AI導入の第一歩は「社員1人が1つの業務で試す」こと

中小企業のAI導入で一番やりがちな失敗は、「全社員にアカウントを配って、さあ使ってください」とやることです。これ、ほぼ確実にうまくいきません。何に使えばいいかわからないまま渡されても、みんな困るだけです。

うまくいくパターンは決まっています。ITに抵抗がない人を1人選んで、その人の業務の中から1つだけ、ChatGPTで置き換えられそうな作業を見つけて試す。それだけです。

1ヶ月試して「これは使える」となったら、そのやり方をマニュアルにして横展開する。逆に「微妙だった」なら別の業務で試す。このサイクルを回すのが、中小企業にとって一番現実的なAI導入の進め方です。

ChatGPTの業務活用——地味だけど確実に効く5つのユースケース

1. 会議の議事録を要約する

会議が終わった後の議事録作成、地味に時間がかかりますよね。録音の文字起こしをそのまま渡しても読みにくいし、かといってきれいにまとめる時間もない。

ChatGPTに文字起こしテキストを貼り付けて、こんなプロンプトを入れるだけで十分使えるものが出てきます。

以下の会議の文字起こしを、次のフォーマットで整理してください。
・決定事項(箇条書き)
・TODO(担当者・期限つき)
・次回までの宿題
ダラダラした発言は省いて、要点だけに絞ってください。

ポイントは出力フォーマットを具体的に指定すること。「まとめてください」だけだと、ChatGPTも何をどうまとめればいいか迷います。フォーマットを決めてあげるだけで、出力の質が一気に上がる。

2. ビジネスメールの下書き

お客さんへの丁寧なメール、お断りのメール、催促のメール。書く内容はわかっているのに、言い回しに悩んで30分——そんな経験、ありませんか。

以下の内容でビジネスメールの下書きを作ってください。
・相手: 取引先の山田部長
・用件: 納期を1週間延長したい
・理由: 部品調達の遅れ
・トーン: 丁寧だが端的に。過度にへりくだらない
・文字数: 200字程度

出てきた下書きをそのまま送るのではなく、自分の言葉で微調整して送る。これだけで、メール作成にかかる時間が半分以下になります。ゼロから書くのと、たたき台を直すのでは、かかる労力がまったく違う

3. 社内マニュアル・手順書の作成

「あの作業、やり方知ってるの田中さんだけなんだよね」——中小企業あるあるです。属人化した業務の手順書を作りたいけど、忙しくて誰も手をつけない。

これ、田中さんに作業手順を口頭で説明してもらって、それを録音→文字起こし→ChatGPTに整形してもらう、という流れが効きます。「以下の口頭説明を、新人が読んでそのまま実行できるレベルの手順書に整理してください」と指示するだけ。

完璧なマニュアルにはならなくても、「何もない」と「60点の手順書がある」の差は大きい。

4. FAQ・よくある質問の整備

お客さんから繰り返し聞かれる質問、社内で何度も説明している内容。これをFAQにまとめておくと、対応時間が減ります。でも、FAQを一から書き起こすのは面倒。

過去のメール対応やチャット履歴をChatGPTに読ませて、「よくある質問と回答の形式で整理してください」と頼むと、たたき台ができます。あとは事実確認して、社内Wikiやサイトに載せるだけ。Kazeのクライアントでも、これで問い合わせ対応が目に見えて減った会社があります。

5. 長文資料の要約・情報抽出

補助金の公募要領、業界レポート、契約書のドラフト。読まなきゃいけないけど長い文書、ありますよね。全文を貼り付けて「うちの会社(従業員15名、製造業)に関係ある部分だけ抜き出してください」と聞くと、かなり精度よく拾ってくれます。

ただし、これは最終判断を人間がやる前提です。AIが「関係ない」と判断して省いた部分に、実は自社に影響する条項が入っていることもある。要約はあくまで「目を通す優先順位をつけるため」に使うのが正解です。

うまくいかないパターンも知っておく

ここまで「使える」話をしてきましたが、正直、うまくいかないケースもたくさん見てきました。

プロンプトが雑すぎる

「いい感じのメール書いて」では、いい感じの結果は返ってきません。相手は誰か、何を伝えたいか、どんなトーンか。人間に仕事を頼むときと同じで、指示が曖昧だとアウトプットも曖昧になる。「AIが使えない」のではなく「指示が足りていない」ケースが大半です。

機密情報をそのまま入力してしまう

これは本当に気をつけてほしいポイントです。顧客の個人情報、未公開の売上データ、社員の評価情報——こういったものをChatGPTに入力するのは避けてください。

ChatGPT Team/Enterpriseプランなら入力データが学習に使われない設定がありますが、無料版や個人のPlusプランではその保証がありません。「この情報、社外の人に見せても問題ないか?」を基準にするのがシンプルなルールです。

出力を鵜呑みにする

ChatGPTは自信満々に嘘をつくことがあります。いわゆる「ハルシネーション」です。特に数字、法律、専門知識に関しては、もっともらしいけど間違っている回答が出てくることがある。AIの出力は「下書き」であって「最終稿」ではない。必ず人間がチェックする前提で使ってください。

GPT-4oとClaude、どう使い分ける?

Kazeでは日常的にOpenAIのGPT-4oとAnthropicのClaudeを併用しています。使い分けの感覚を共有すると——

GPT-4oが得意なこと

  • ・画像やファイルの読み取り・分析
  • ・Webブラウジングとの連携
  • ・GPTsによるカスタムツール作成
  • ・幅広い一般知識の回答

Claudeが得意なこと

  • ・長文の読解・要約(コンテキスト長が大きい)
  • ・日本語の文章作成(自然な文体になりやすい)
  • ・コードの記述・レビュー
  • ・指示に忠実に従う正確さ

とはいえ、両方のモデルは急速に進化しているので、半年後にはこの使い分けも変わっているかもしれません。最初はどちらか1つで十分です。ChatGPTのほうがアプリの使い勝手がわかりやすいので、初めてならGPT-4oから試すのがいいと思います。

導入コストは思っているより低い

ChatGPT Plusは月額20ドル(約3,000円)。1人分の月額コストが、時給換算で1時間ぶんにもならない。その1人が毎日30分の時短を実現できれば、初月から余裕で元が取れます。

高額なAIシステムの導入を検討する前に、まずは月3,000円で始められるこの方法を試してみてください。大きな投資は、効果を実感してからでも遅くありません。

「AIに仕事を奪われる」ではなく「面倒な作業を減らすツール」

最後にこれだけは伝えておきたいのですが、ChatGPTは仕事を奪うものではありません。少なくとも、今の段階では。

議事録の整形、メールの下書き、手順書のたたき台作成。こういう「やらなきゃいけないけど、正直やりたくない作業」をAIに任せることで、人間は判断や意思決定、お客さんとの対話といった本来やるべき仕事に集中できる。それがAI活用の本質だと、僕は実感しています。

まずは1人が、1つの業務で、1ヶ月試してみてください。「うちにはまだ早い」と思っている会社ほど、やってみたら意外と手応えがあるものです。

KazeではChatGPTやClaude等のAIツールを活用した業務改善のご相談も承っています。「何から始めればいいかわからない」という段階からお気軽にご相談ください。